ご挨拶

    日本描画テスト・描画療法学会第26回大会を、山口市において開催することになりました。本大会の運営及び大会会長となりました山口大学教育学部の木谷秀勝と申します。私個人としては、本学会が「家族画研究会」として活動を開始した頃から参加させて頂き、多くの諸先生方に臨床描画の楽しさや難しさをご指導頂き、今日の臨床活動に活かしてきております。それだけに、今回の大会を高橋依子学会会長から依頼された時点から、多くの若い先生方にとって、臨床描画の基本から実践までを幅広く研修できるような「臨床の知」となるプログラムを提供できるようにと考えながら、大会の企画を進めてきております。しかしながら、これだけの規模の学会運営に不慣れな点も多々あるかと思いますが、そこは参加者全員のお力をお借りしながら、よりよい研修の場となりますようご協力の程お願い申し上げます。

    既に、ニューズレターでもお知らせしたように、第26回大会テーマは「自分らしさと描画」として、自分らしく生きようとするからこそ生じる葛藤の中で表現される臨床描画の世界を参加者の皆様と共有できればと期待しております。9月17日(土)は、臨床描画に造詣の深い講師陣によるワークショップと認定描画療法士研修会(基礎コースと応用・実践コース)、そして懇親会が中心になります。18日(日)は、午前中の研究発表・事例検討に続き、午後の特別講演では、山口県周南市(旧徳山市)出身のまど・みちおさんが50歳以降から描き始めた素敵な抽象画を中心に、「まど・みちお 自分らしく生きる-こころの小宇宙を描きながら」をテーマにして周南市美術博物館館長有田順一氏にご講演頂きます。また、大会シンポジウムは大会テーマ「自分らしさと描画」に沿って、養護施設の子ども達、性的違和感を生きる人たち、そして非行や離婚等を通して「家族らしさ」の問題に直面する描画について、それぞれの専門家に話題提供をお願いしております。

    山口県は海の幸・山の幸に恵まれた自然豊かな西京(西の京都)とも呼ばれる地です。懇親会では、地産地消を基本としながら、合わせて全国的に評価の高い山口県の地酒をご用意させて頂きます。学会だけでなく、懇親会の場や湯田温泉に浸かりながら、多くの参加者の方々が、「自分らしく」楽しい時間を過ごせますように考えております。

    なお、大会がシルバーウィークと重なることもあり、皆様にはご迷惑をおかけすることになるかと思いますが、宿泊やJRやまぐち号の予約等は早めに対応されますようお願い申し上げます。

    数多くの方々の来山を運営委員会一同心よりお待ちしております。おいでませ、山口へ!

大会会長 木谷秀勝(山口大学)